1. 富裕層を中心とした開拓者によって、舗装されていない村道に沿って邸宅が建築されることで、次第に住宅コミュニティが形成された。現在、格子状の街路が規則正しく構築され、1つ1つの街区は長方形にて形成されている(写真1)。
2. シカゴから伸びる郊外列車Metraの「オークパーク駅」が住宅コミュニティに隣接しており、シカゴ都市部へのアクセスが良好な立地である。
3. ライト・ホーム・アンド・スタジオのフォレストアベニュー沿いにはライトが設計した住宅が多く立ち並び、街全体が美術館のようである。建物が木々や手入れの行き届いた芝生などに囲まれている姿は、ライト建築の特徴でもある「自然と建築の融合」を顕著に表している。
1. 1902年にライトによって設計された、建物自体の背が低く外壁やひさしにより水平線の強調された建物群は、当時のアメリカでは珍しいプレーリースタイルの代表作といわれ、落ち着いた色のレンガの壁が周囲の景観に溶け込み、自然との調和が保たれている(写真2)。
2. 敷地境界に塀を設ける閉鎖的な日本の住宅形態とは異なり、塀を設けないことで開放的な空間を演出している。玄関前のバルコニーには椅子や机が設置され、近隣住民とのコミュニケーションの場として活用している。
3. 開放的な空間を演出する一方で、バリアフリーや安全面に関して対策が必要だと感じられる。床を1階分上げることで、必然と階段を設けることになるが、障害者や高齢者に対する配慮が欠如している。また、柵や塀を設けないからこそ、防犯対策も入念に行うべきだと考えられる(写真3)。
報告者 | 浜田利彦・岸田博・森伸弘・細川裕輔 |
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視察日 | 平成30年7月11日(水) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2018米国住宅地開発事例視察調査報告書(浜田利彦氏・岸田博氏・森伸弘氏・細川裕輔氏)掲載原稿を要約 |