上野かざみ台
富山県婦負郡八尾町福島上野
江戸時代、越中と飛騨の交通の要所として栄え、富山藩の御納所として養蚕、生糸、和紙等を産し、取り引きが盛んに行なわれた、豪華絢爛な曳山や風の盆「おわら」が残る地域。町が策定したHOPE計画に賛同した地元の大工棟梁、工務店、設計者が「八匠」を設立。地域固有の環境を具備した住まいづくり「八尾の家」と、「おわら」が似合うまちなみ、雪に強い団地づくりをめざす(平均積雪量は109cm)。建設省のウッドタウン・プロジェクトの認定を受け、「八匠」のメンバーが中心となり、住宅相談所の開設等、啓蒙・実践活動は大きな広がりを見せている。「まちなみの復権」が確実に進んでおり、設計者も工務店も「八尾の家」普及のために建売りを行なった(工務店16社、設計事務所5社)。
街区計画は、伝統芸能「おわら町流し」が演出できるように、公園・広場・街路を計画している。隣棟間には、日照等の確保とコミュニティ空間として小路を配置。雪流し用の流雪溝を設けている。
植栽計画は、歩道には町のシンボル樹のカツラを植栽し並木をつくる。
住宅は、伝統と現代の技と、材料を結集した「八尾の家」。富山県の木造住宅耐雪構造基準に適合した住宅である。集合駐車場、植栽帯を共有で持つ。平均宅地面積340m2。

みち広場部分のまちなみ

カツラ並木の道路沿いのまちなみ

街区図

計画のディテール
計画データー
実施年度 | 1990年11月 |
事業者 | 富山県建連住宅共同組合八尾支部「八匠」 |
基本計画者 | セト設計 |
事業方式 | 建売り、売建て |
建築協定 | 建築協定 |
街区面積 | 22,757m2 |
戸数 | 35戸 |