汐見台ニュータウン
宮城県宮城郡七ヶ浜町汐見台
全国初のボンエルフ道路による住宅地開発例である。同じ年、大阪市長池町に「コミュニティ道路」が誕生。人間優先のまちづくりをめざし、生活の場としての道を歩車共存道路によって取り戻そうとする試みである。ボンエルフの導入に当たっては、現地に実験道路を施工し安全性の実証を試みている。また、1979年12月に七ヶ浜町主催の「汐見台道路総合検討会」を発足。県・警察・消防を含めた関連各官公庁と調整し、実証データと町の熱意によって開発許可を取得して、旗竿道路(U字型)も導入した。
道路は、幹線道路からコレクター道路、さらに細街路というヒエラルキー設定を行ない、細街路のみを住戸に接道。細街路はボンエルフ道路(U字型)とし、コレクター道路につなげている。ボンエルフ道路同士が接するところは、これに沿って緑道を配置。ボンエルフ道路のうちコレクター道路につながる直線部分では、車を蛇行させることによって速度を抑制するために一定の間隔でフォルトを設置。歩行者には野鳥をモチーフとしたサイン、車には道路システムの案内を設け、街の個性化を図っている。細街路入口の住宅はシンボル的なデザインに配慮している。
ボンエルフ道路は幅員6m、フォルト部分は車道幅員として4m確保。コレクター道路からボンエルフ道路に進入する部分にハンプを設置。ボンエルフ道路の緑道と平行する部分(合計16mの広い空間)は、全体を盛り上げて車の進入を抑制している。緑道の幅員は4m。宅地面積213m2~314m2。住宅面積113m2~124m2(第1期)。

ボンエルフ道路と緑道の交差部分

ボンエル道路沿いのまちなみ

街区図

計画のディテール
計画データー
実施年度 | 1980年 |
事業者 | 西洋環境開発 |
基本計画者 | 鹿島建設 |
事業方式 | 建売り、宅地分譲、売建て |
建築協定 | 地区計画 |
街区面積 | 909,330m2(全体開発面積) |
戸数 | 1,722戸(全体計画戸数) |