1. 地区の中心に商業施設を配置し、既存の地形に合わせ周囲に様々な形式の住宅を計画している。「住居/労働/娯楽」のすべてを含んだコミュニティを目指し、エリアの中には店舗、小学校、病院、消防署等も建設されている。
2. 住宅4,550戸が180haの範囲に高密度にまとめられている。戸建住宅が全体の42%、長屋形式のタウンハウスが25%、集合住宅(分譲+賃貸)が33%である。住宅密度は最大200戸/ha、最小50戸/haだが、1.75戸/haの低密度なものもわずかに存在する。
3. 住宅の専有面積が小さくコンパクトな住宅エリアであるが、歩道と植栽帯が整備された共用部と住宅専有部の植栽がシームレスに維持管理されているので、実態以上にゆったりとした印象を受ける。(写真1、2)
1. イサクア・ハイランドは複合型のコミュニティで、イサクア・ハイランド・コミュニティ・アソシエイション(IHCA)と呼ばれるHOA(管理組合)が中心となって運営を行っている。IHCAは資産価値の向上及び住居コミュニティが質の高い生活を維持するため、街の「規則と制限」「建築レビュー」、公園や街並みのような共用エリアの維持管理を行っている。(写真3)
2. 街の美観維持のため、こまめな手入れが行われている。住宅の管理費は年間約11万円で、その他商業施設からも徴収している。金額はベース費用に建物の規模等に応じた上乗せがなされる。未販売の住宅に関しては、デベロッパーが負担する。
3. ネット・ゼロ・エネルギー・ハウスとして実験的な住宅が建てられている。ゼロエネルギー住宅実現のため、断熱性と機密性能を向上させ、効率的な冷暖房システムを構築、太陽光や雨水の効率的な利用により、高効率な照明や電化製品の利用を実現し、評価機関から基準をすべて上回る評価を得ている。
報告者 | 古市健一・長田敏之・神津高志・渡邊大貴・酒本敏弘 |
---|---|
視察日 | 令和元年7月10日(水) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2019米国住宅地開発事例視察調査報告書(古市健一氏・長田敏之氏・神津高志氏・渡邊大貴氏・酒本敏弘氏)掲載原稿を要約 |