1. 新しく建てられた建物は、個性を持ちながらも歴史ある建物と外観を調和させており、新陳代謝しながら、街の品格は保たれ続けている。
2. 住宅側の植栽と歩道側の植栽を連動させ、住宅側から見れば庭が延長しているように見え、歩行者はまるで庭の中を歩いているように感じられる工夫がなされている。民間と行政の関係性の良さが伺える。大きな樹木や勾配を利用した植栽など、長い間住民と行政の協力により維持されてきた緑のインフラが、歴史ある住宅地をより一層成熟した街並みに見せている。(写真3)
1. ガレージは通りから見えにくいように、道路から奥に入った建物の脇に配置されている。駐車帯の設置はシアトルでは一般的だが、敷地内の駐車場確保が難しいクイーン・アンに適した手法である。
2. 敷地の高低差をショートカットする生活用の抜け道も数多く用意されている。これは生活者への利便性だけでなく、ケリーパークや所々で抜けた建物間の空き地と同様に、そこからシアトルへの眺望が開けている。
3. アメリカの住宅文化は、リノベーションし売却することでグレードを上げていくものであるが、富裕層が利便性よりも付加価値を求めて丘の上に邸宅を構えたクイーン・アンはその到達点の一つであると考えられる。
報告者 | 古市健一・長田敏之・神津高志・渡邊大貴・酒本敏弘 |
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視察日 | 令和元年7月12日(金) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2019米国住宅地開発事例視察調査報告書(古市健一氏・長田敏之氏・神津高志氏・渡邊大貴氏・酒本敏弘氏)掲載原稿を要約 |