1. 住宅は、戸建て、連続住宅、集合住宅などを混在させ、低所得者でも住みやすいコミュニティを目指して計画された。住宅地の南側には、レストランなどの商業施設、病院や信用組合などが広域的に立ち並ぶ。また開発区域内には、ディベロッパーがインパクトフィーとして負担して建設した小学校も存在する。(写真1)
2. 街の中心に広場を設け、更に各地区ごとにオープンスペースが設けられ、近隣の住民が集まりやすいように計画されている。広場を中心として住民同士のコミュニティを形成するとともに、地域の安全対策にも一役買っている。
3. ・街の中心から離れるほど、住宅密度を小さく、緑を多く設けられたグラデーションのある宅地形成となっている。
・駐車場をバックアレー(裏路地)側に設置することで歩道部分に車の乗入れが発生しない歩車分離の計画となっている。乗入れ部の無い歩道は芝が連続性を保っており、景観を形成している。
1. HOA(管理組合)により管理されたフットパスや調整池などの緑地は開発から20年以上経過した場所でも良好に保たれ、宅地の資産価値を高めている。(写真2、3)
2. 住宅の庭等の手入れは非常に行き届いており、統一感も感じられることから、街全体で同じガーデナー(庭師)へ管理を依頼していると推察される。
3. 優れたHOA運営によるだけでなく、自分たちの街を価値あるものにしたいという住民たちの想いがこの地域を維持し、価値を高めているように見受けられる。
報告者 | 小笠原規高・松本琢也・中條伸英・黒島一起 |
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視察日 | 令和元年7月11日(木) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2019米国住宅地開発事例視察調査報告書(小笠原規高氏・松本琢也氏・中條伸英氏・黒島一起氏)掲載原稿を要約 |