1. 自転車で移動可能な距離をひとつの目安として諸施設を設計しており、大規模でありながらも生活の利便性を感じられる。大きな区画では行政府が入り組んでいる区域があるが、それを表にあらわさず一つの街として見えるよう工夫している。プロジェクト内全体で学校が15校あり、いずれも高い教育水準にある(写真1)。
2. 東西のグリーンベルト(緑道)を中心軸に開発されている。近隣住民に憩いを与えるよう緑に配慮した公共空間として計画されている。滑走路だった場所は自然あふれるサスティナビリティ的な公園やビオトープとなっている(写真2)。飛行場の格納庫だった施設は、警察官のトレーニング施設や企業の社屋として再活用している。管制塔も地域の遺産として残されている。空き地になっている未開発地区もまだ残っており、今後色々な状況を勘案し開発を継続していく予定である。
3. 10%の戸建て住宅と20%のアパートメント(共同住宅)がアフォーダブル(低所得者層向け住宅)でなければならないという基準がある。アフォーダブル住宅については、そうでない住宅と区別が付かないようなデザインとし、4戸に1戸の割合で配置することにより、ミクスド・インカム住宅を実現している。富裕層だけでなく、一定の割合で低所得者層も取り込んだミクスト・コミュニティを志向するなど、現政権に染まらず淡々とニューアーバニズムによる事業を進めている。ディタッチハウス(戸建て)とアタッチハウス(4戸1組のアパート)は6:4の比率である。
1. 色々なビルダーが通りを挟んで住宅を販売しており、統一感の強い外観を避け多様性をもった街並みを創出している(写真7)。
2. 住宅の持続可能性に配慮しており、省エネルギー設計が要求されている(写真10)。高級仕様の者ではLEED(米国グリーンビルディング協会による環境性能評価システム)認証取得の住宅もある。
報告者 | 貫井康平・立花秀夫・岡田良祐 |
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視察日 | 平成30年7月13日(金) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2018米国住宅地開発事例視察調査報告書(貫井康平氏・立花秀夫氏・岡田良祐氏)掲載原稿を要約 |