1. シカゴから伸びる郊外列車Metraの「リバーサイド駅」周辺に住宅コミュニティが形成されている、鉄道沿線型住宅地である。シカゴ都市部へのアクセスは、約25分である。
2. この住宅地は1869年にデブレインズ川沿いの広大な土地に計画され、地形の起伏に従って引かれた街路はすべて曲線で構成されている(写真1)。リバーサイド駅周辺の商業地区以外には信号機もなく、木立や広い前庭が視線を遮り、駐車場も家の裏手に配置されるなど、計画から150年経過した現在も豊かな環境と景観が維持されている。
3. 緑地(公園)や川辺の保存林など緑のネットワークが巧みに配置されている。街中にいながら公園を歩いているような感覚があり、自然と共存していく姿勢が伺える(写真2)。
1. 専門業者の管理はもちろん、住民1人1人の努力によって街全体の美観が維持されている。街中において、リフォームや外壁の清掃を行う世帯や施設が常時見受けられ、住宅は劣化を感じさせることなくきれいな状態を維持し続けている(写真3)。
2. 太陽光パネルを設置しているような住宅は、外観を損ねるためか、ほぼ見受けられない。住民のエコへの関心は薄いようである。
3. 駅には自転車が乱雑に駐輪されており、リバーサイドの街並みの雰囲気を損なっているように感じられる。イメージアップのためには、駅周辺の設備を見直す必要があるかもしれない。
報告者 | 浜田利彦・岸田博・森伸弘・細川裕輔 |
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視察日 | 平成30年7月11日(水) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2018米国住宅地開発事例視察調査報告書(浜田利彦氏・岸田博氏・森伸弘氏・細川裕輔氏)掲載原稿を要約 |