サンフランシスコ
1. 2ブロックの比較的コンパクトな住宅が立ち並ぶエリアである。歩車分離が明確で、メインストリート側に駐車場を配置せず、住宅裏に車庫を設けているため、美しいファサードを形成している。また、壁面後退距離が定められているであろう、住戸の壁面位置もほぼ均一で良いリズム感が生まれている。
2. メインストリートは、二車線だった道路を一車線の一方通行とし、車道と歩道の間に二つの目的をもつパーキングレーンを造っている。その目的は訪れた人が気軽に駐車できることであり、沿道のレストランやカフェのテラス席といった飲食店舗の屋外スペースとして活用できるようにすることである。(写真2)
3. 住宅街区の特徴としては、各ブロック間の裏庭に適度なカーブを持ったフットパス(風景を楽しみながら歩くことができる小道)が通っており、歩行者専用通路となっている。(写真3)
1. 歩道と自動車走行車線の間に設置された「フレキシブル・ゾーン」と定義される路上駐車帯は、カフェや屋外飲食店舗等へ転用することを意図してデザインされている。飲食店舗は、路上駐車帯を飲食スペースとして活用することができ、この街に出店する際の好条件となって店舗の誘致が促されている。
2. ダウンタウンに人を昼夜集めることのできる公共性の高いテナントである本屋は、3年間賃料を無料としている。「フレキシブル・ゾーン」をはじめとした各種制度は、商業店舗を誘致する大きな要素となり、多数の飲食店がメインストリートに建ち並び、来訪者や居住者にとって大きな価値となっている。
3. 住宅を取り巻く歩行者専用通路は、住戸と共用通路の境界が曖昧な事により通路空間が住戸壁面までに感じられ、寸法以上の広がりを感じる心地よい空間を作り出している。住民の理解、HOAのしっかりした管理体制が現れている。
報告者 | 形部 浩・芝原 良成・窪田 一輝 |
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視察日 | 平成29年7月14日(金) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2017米国住宅地開発事例視察調査報告書(形部 浩氏・芝原 良成氏・窪田 一輝氏)掲載原稿を要約 |