アバディーン
1. 総戸数約8,000戸の住宅と商業・学校・オフィス及び公園から成る複合型住宅地開発であり、事業期間は約40年と長期に渡るプロジェクトである。マスタープランの特徴として、7つのネイバーフッド(Neighborhood:近隣住区)を構成、各住戸から徒歩5分圏内に生活に必要な各種サービスや公共交通機関へのアクセスを可能とし、その集合体として全体計画を構成している。
2. 外部から街への入口にはラウンドアバウト交差点を設ける事により、街の玄関としての視覚的・感覚的な境界を効果的に創り出している。ネイバーフッドの中心部には広場・ビジターセンターを設け、住民の集落・コミュニティ形成の場を計画しており、休日には200人以上の住民が集まり、住民同士でコミュニケーションを取っている。
3. 店舗街区においては、集客力の高いスーパーマーケットを中央に配置し、その他の各店舗に人の流れが集まり易い計画としている。また、駐車場やゴミ集積場はメイン道路側には設けずに、細街路であるサブ道路側に設ける事で、街のメインとなる部分の意匠性を配慮して計画し、併せて道路の中に植樹桝を設ける等、街全体が緑量の多い計画となっている。
1. モデルハウス・模型・プラン図・パースを活用して販売を行っている。
2. 全体としては販売が始まったばかりではあるが、当初は価格を安めに設定し、街の価値を高めてから、今後の開発エリアでは価格を高くして販売する等、我が国とは違い、街の付加価値を創り出す事に注力して販売している。
3. 市場を鑑み、住宅プランを研究している事も特徴で、3社のハウスビルダー・60種類のハウスタイプで供給している。また、土地の権利は所有権で販売しており、土地建物販売価格は£310〜£435、ファミリーの富裕層をメインターゲットとして販売している。
報告者 | 粂田 和伸・中臺 辰雄 |
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視察日 | 平成28年7月5日(火) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2016英国住宅地まちなみ視察調査報告書(粂田和伸氏・中臺辰雄氏)掲載原稿を要約 |