1. 1)コンセプト
『日本での賃貸事業のノウハウを活かし、アメリカの方々に喜ばれる賃貸住宅の提供』を事業コンセプトにプロジェクトが始動し、設計コンセプトについては、直接ヒアリングはできていないが、『世代交流』、『良質は快適性』、『安心・安全』を大きなテーマとして、ICTやSNSを使った若年層に親しみやすい管理ツールを使った『コミュニティ形成』をテーマのひとつとしているようである。
2)マスタープラン
インフォメーションセンターを外部との接点及びコミュニティへの入り口とし、それ以外は全てゲートで仕切られたゲーティドコミュニティとなっており、『安全・安心』を実現している。但し、このエリアの安全性が低いことを意味することにつながるため、各住棟のセキュリティ設備は設置されていない。(写真1)
3)インフォメーションセンター
インフォメーションセンターには入居者のコミュニティの醸成のための専用のプールやBBQコーナー、スポーツジムやビジネスセンターといったアメニティの充実も図られている。センターにはICTを活用したツールとして、大型ディスプレイを設置し、イベント情報や郵便物・宅急便等の預かり状況を映し出している。(写真2)
4)住棟のデザイン
外観は石張りをアクセントにしたレンガと塗装で仕上げた3階建てで統一され、シンプルではあるが、落ち着きが感じられる景観である。但し、間取りは1ベッドルームタイプから3ベッドルームタイプまでバリエーションは豊富で、かつ、1棟をあまり大きくせず、分節化して街区を構成しているため、その間取りの組み合わせの妙味により、それぞれの建物にも表情が出る仕掛けがされている。また、中庭や歩行空間に面しているバルコニーには、住まい手の個性が感じられる椅子やテーブル、手入れされた鉢植えなども見受けられ、楽しさと賑わいを創出している。(写真3)
報告者 | 高橋 朋幸・田川 利江子・西村 和紀・海藤 征弘 |
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視察日 | 平成27年5月9日(木) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2015米国住宅地まちなみ視察調査報告書(高橋朋幸氏・田川利江子氏・西村和紀氏・海藤 征弘氏)掲載原稿を要約 |