1. DPZは、ジョージタウンやアレキサンドリアに代表されるアメリカの古き良き街並みを規範に「小さな町」を開発しようとデザインに取り組み、行政、建設業者、デベロッパー、一般住民等、様々な人のアイデアを吸い上げ、原地形を尊重し、環境を保全しながら開発を進めたことにより、豊かな自然につつまれた美しい住宅地ができあがった。
2. 車両の出入り口はアリーウェイと呼ばれる背割動線に配置し、住戸のメインエントランスは反対側となる歩道側に設けられている。更に、住戸はできるだけ歩道に寄せて配置し、歩道に賑わいと豊かな景観を創出して、街と住戸と人のコミュニケーションを活性化させている。歩道寄りにレイアウトされるリビングのフロアレベルは路面より5フィート(約1.5m)程上げる設計がなされプライバシーが損なわれないように配慮されている。
3. 日常生活に関わる施設のほとんどが徒歩5分圏内にあり、多様な機能が敷地内にコンパクトに配置されている。
1. ケントランド、レイクランドは、所有者が全て組合員として参画するHOA(Home Owner's Association)によって管理されている。HOAは、不動産評価額をベースに算定された運営金を個々の組合員から徴収し、共有のオープンスペースや施設の維持管理を行っている。
2. HOAの意志決定機関は理事会で、プレジデントと5名のボードと呼ばれる役員によって組織され、実務的な運営は、プロの管理会社に委託されている。共有施設には、常に人々が集まり、親子連れでプールやテニスコートを利用したり、会話を楽しんだりとさまざまなコミュニティ活動が盛んである。
3. 街のデザインコードが定められており、建物に関してはもとより、屋外フェンスの素材も木製か鋳鉄に決められている。HOAの積極的な活動により、美しく住みやすい環境が維持され、高齢者にもやさしい魅力ある住宅地となっている。
報告者 | 石 隆幸 小岩 光弘 三隅 清孝 |
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視察日 | 平成25年7月10日(水) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏 (明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2013米国住宅地まちなみ視察調査報告書石 隆幸氏・小岩 光弘氏・三隅 清孝氏)掲載原稿を要約 |