ロンドン市NW11地区
1. 高木が多く、緑のボリュームのある公共ゾーンと家と外構のバランスの取れた電線・電柱のない歴史ある郊外の住宅街。
2. 敷地境界側は生垣の高さが2m程度あり、適切な目隠しになっている街区と、低めに抑えてオープン外構にしている街区がある。また、フットパスが随所に存在し、趣のある砂利敷きと常緑樹を中心とした中低木の通路がやや狭めな設えとなっている。
3. 道路歩道面の仕上げは、石貼りが多く、道路から駐車場への導入部は小舗石(ピンコロ)にするなど、入口への配慮が見られた。また、ゴミ置き場は共通ゴミ箱(緑、青の2種類)による収集方式のようで街並みにマッチするカラーで目立たなくさせる配慮がされていた。
1. 『ハムステッド・ガーデン・サバーブ・トラスト』の規約による管理運営が徹底され、外構まわりの生垣、庭先の中高木の手入れが行き届いている家が多く、街の管理・運営がしっかりしている。
2. 計画当時は駐車場よりもファサード側の樹木・生垣が優先され、1台分の出入り幅のみが確保されている敷地が多いが、現在では車の所有台数が多くなり、路上に2台目の駐車をしているように思われが、この街では敷地の大きさ、建物の重厚感、外構の連続性があるため、多少ファサード面がすっきりしない部分もあるが、あまり気にならない。
3. 街の美しさや建物の頑丈さだけでなく、1968年に設立されたトラストによるタウンマネジメント手法がしっかりしている。街のあちこちで道路舗装工事のやり替えや、住宅の外壁や屋根の修繕工事が行われていて、街・家が美しく継承されている。どんな街でも管理がしっかりしていると不動産価値は下がりづらい。
報告者 | 若林 功次郎 |
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視察日 | 平成24年7月12日(木) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
参考資料名 | 2012欧州住宅地まちなみ視察調査報告書(若林 功次郎氏)掲載原稿を要約 |