阪神・淡路大震災を教訓とし、災害に強い快適で安全なまちづくりを推進していく上で、いわゆる密集市街地における基盤整備や老朽住宅の建替を促進していくことが、重要な課題となっています。
課題地においても、生活道路や地区防災道路などの整備を推進するとともに、今日までのコミュニティやライフスタイルを継続させる個別建替や協調建替などを促進することにより、快適で安全なまちづくりを目指すものです。
今回の設計競技は、この計画にふさわしい密集市街地における、緩やかな建替モデルを含む地区更新計画のあり方についての提案を求めるものです。
(1)特選(建設大臣賞)
藤川敏行(竹中工務店)・岸田文夫・八里正人・高野宏天・大西正英
(2)準特選(まちづくり月間実行委員会会長賞)
入口嘉憲(ユーデーコンサルタンツ)・金本豊博・三村剛・高野茂・岡本健一・高野基晴
(3)入選(住宅生産振興財団会長賞)
吉田寛史(竹中工務店)・高梨雄二郎・清重剛男・北原英雄・松本伸洋・竹田陽介
(4)入選(住宅生産振興財団会長賞)
鈴木道子(M.I.A.ARCHITECTS)・松永裕志・川崎素子
審査委員長 芦原義信
まちづくり月間実行委員会と(財)住宅生産振興財団が主催する「まちづくり設計競技」は、まちづくり月間発足以来16回を重ねました。それぞれの時代のニーズを先取りして課題を定めてきましたが、この設計競技を通して問題意識の提供と計画技術の向上を図ってきたことの意義は、大きいものがあると考えられます。
今回の課題は、古くから形成された密集市街地で、狭小宅地、狭隘道路、老朽建物、居住者の高齢化等の課題を有する地区の計画で、緩やかな建替モデルを含む地区更新計画のあり方についての提案を求めているものであります。
課題地は、兵庫県南部地震(阪神・淡路大震災)の被害を受けた神戸市の一地区を設定しました。災害に強く、住民参加のまちづくりのモデルになる提案を募ったものです。
応募登録件数は426件、応募作品数は68件でした。
審査に当たっては、次の諸点について重点的に作品の読み取りを行ない、審査委員による意見交換を行ないました。
特選1点、準特選1点、入選2点の4点を選びましたが、例年の通り特選者には建設大臣賞が授与されます。
この最優秀作品を含め優れた応募作品を参考にした地区更新計画を、地元まちづくり協議会、関係団体が策定し活用していくことを期待するとともに、他の既成市街地の更新計画の参考にもしていただけるのではないかと考えます。
難しい課題でありながら多くの応募をいただいたことは、今回の課題に今日的意義があったということでもあると改めて感じております。最後に、応募していただいた皆様方と、特に従来とは大きく異なった課題にもかかわらず適確な審査をしていただきました審査委員の皆様方に深く感謝を申しあげて報告とさせていただきます。
| 応募登録 | : | 平成10年9月~10月 |
| 作品提出 | : | 平成11年3月 |
| 審査 | : | 平成11年4月 6日 |
| 入選発表 | : | 平成11年5月 |
| 表彰 | : | 平成11年6月(平成11年度まちづくり月間) |
●審査委員長
芦原義信(東京大学名誉教授)
●審査委員
井手久登(東京大学名誉教授)
大高正人(建築家)
小沢一郎(建設省技術審議官)
木村治美(エッセイスト)
島崎 勉(住宅・都市整備公団理事)
白國高弘((社)再開発コーディネーター協会理事)
陣内秀信(法政大学教授)
鈴木昌道(ランドスケープデザイナー)
巽和夫(京都大学名誉教授)
田中裕司(兵庫県都市部長)
垂水英司(神戸市住宅局長)
那珂正(建設省住宅局長)
半田富久(彫刻家)
日端康雄(慶應義塾大学大学院教授)
室崎益輝(神戸大学教授)
望月積(東京芸術大学教授)
山崎 裕(建設省建築研究所所長)
●主催
まちづくり月間実行委員会、(財)住宅生産振興財団
●後援
建設省、兵庫県、神戸市、住宅金融公庫、住宅・都市整備公団、
(社)全国市街地再開発協会、(社)再開発コーディネーター協会