財団法人住宅生産振興財団

キング・ファーム

キング・ファームはワシントンD.C.から約30キロの地点にあり、以前はキング家が所有していた広大な牧場を｢ニューアーバニズム｣の思想のもと、住居・買い物・学校・職場・娯楽が一体となるよう開発された。街の中に｢Shady Grove(小さな森の木陰)｣という地下鉄の駅があり、ワシントンD.C.まで約30分でアクセスできる。

通常殺風景となるバックアレーにも高木等で演出 [+] 拡大

各住戸は通りに面したグリーンベルトからアクセス [+] 拡大

ライフスタイルが垣間見れるウェルカムポーチを持つ住戸 [+] 拡大

住宅地計画の特徴
1	キング・ファームは、米国での都市圏政策である｢スマート・グロース｣の代表事例。スマート・グロースは、1990年代から米国で発展した都市政策の考え方で、定義としては｢複合的な土地利用｣｢様々な住宅タイプの創出｣｢徒歩で用の足る街づくり｣｢魅力的なコミュニティ｣｢自然美のあるオープンスペース｣｢多様な交通手段の提供｣｢既存社会基盤の活用｣等があげられる。開発の本来の趣旨からすると、住民が徒歩や自転車といった車以外の手段で駅を利用する事を望んでいたと考えられるが、完全にパーク&ライド方式となっている。
2	｢ニューアーバニズム｣の思想のもと、歩車分離のランドスケープを採用し、各住戸の通りに面した部分にはウェルカムポーチが並び、住民それぞれのライフスタイルがポーチ部分に垣間見られ、歩いていて楽しい空間となっている。街のオープンスペースに面した住戸はホワイトフェンスでの演出で統一され、美しい街の景観を演出しており、デザインコードが存在していることが伺える。
3	歩車分離の計画で個人的に課題と考えていた通常殺風景となるバックアレーにも高木を配する等の配慮も見られる。

維持管理の特徴
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計画データー
報告者	田中透	視察日	平成25年7月10日(水)
同行コーディネーター	佐々木宏幸氏 (明治大学理工学部建築学科専任准教授)
参考資料名	2013米国住宅地まちなみ視察調査報告書(田中透氏)掲載原稿を要約