住宅地計画の特徴 | |
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1 | ワン・ラウドウンは、1980年代後半1990年代にかけて北米で発生したニューアーバニズムの考え方を汲み、現代風に再構築される形で計画されている。まちの中心には様々な機能を集中させたタウンセンターを配置し、公園、小学校、デイセンター、オフィス、スーパー、映画館、野球場、ガススタンドなど様々な用途の建物が存在し、計画地内で居住者の生活が完結できるコンパクトシティとして計画がされている。 |
2 | 住宅部分に関しては、多くの住戸がバックアレーとアプローチ道路の2面道路を有したグリッドパターンの街路構成となっている。車道と歩道を分離し、歩行者の安全を確保するとともにまちの魅力となる空間として計画されている。 |
3 | タウンセンターエリアにおいても、歩行空間に対して店舗を向け、修景することで魅力ある空間を創出する一方で、景観として好ましくない駐車場を建物に囲われた内部に計画する手法がとられている。なお、後の駐車台数増加に対しても立体化することで対応することができる。 |
維持管理の特徴 | |
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1 | 管理形態としては、プロパティオーナー、リースオーナー達の組合がそれぞれあり、その他に住宅のHOAという3つの組織が全体の管理組織に属すような形態をとっている。住宅一戸当たりの毎月の管理費は約2万円とのことであった。 |
2 | 住宅はプライバシーを守るため、半地下空間を設け、道路からは1mほど高い位置にアプローチをとる計画となっている。また、これは南面を意識しない住宅配置に起因するが、道路に向けられた住宅は窓配置など外観も整いやすく、室外に洗濯物を干すことがないため、景観を阻害する要因も少ない。 |
3 | 道路境界や隣地境界への意識が低く、境界を明示するという考え方がない。隣地の境界線は建物の真ん中ということであるが、境界杭らしきものも存在しなかった。境界ブロックがなく、樹木があってもどちらの木だともめることもないため、隣地境界には樹木を植えることができる。道路境界では歩道空間と宅地が一体的に見せられるという景観的なメリットが大きい。 |
計画データー | |||
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報告者 | 堂城 直人・米川 栄二・古屋 正明 | 視察日 | 平成25年7月9日(火) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
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参考資料名 | 2013米国住宅地まちなみ視察調査報告書(堂城 直人氏・米川 栄二氏・古屋 正明氏)掲載原稿を要約 |