住宅地計画の特徴 | |
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1 | ベッドフォード・パークの特徴は、大きい煙突や、格子枠の上げ下げ窓、切妻屋根などを特徴とするクイーン・アン様式の住宅群と豊かな緑。住宅が全て「クイーン・アン様式」で統一された初めての住宅地だった。芸術の香りのする住宅のデザインとともに、元々あった樹林もよく残されていて、まさに水彩画の中を歩くようなまち、ピクチャレスクな景観を作り出すことに成功している。 |
2 | クイーン・アン様式の特徴は、直線あるいはオランダやフレミッシュ風の曲線ゲイブルやレンガ製の古典主義由来のピラスターやペディメント、オランダ由来の白ペンキのサッシュ窓(上げ下げ窓)などで、窓の扱いは英国の田舎の多角形出窓・ドーマー窓・オリエル窓など変化に富み、木製のキューポラや漆喰のコーヴの強調などにぎやかなファサードである。 |
3 | 様々なフィニッシングタッチが加えられた。たとえばファサードの花綱飾りのレリーフは新古典主義のロバート・アダムスタイルのひねりであり、天使像などの装飾はクリストファー・レン風の抑制の効いたバロックの味付けで、シャトー風のフランソワ一世タッチが加わることもあった。 |
維持管理の特徴 | |
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1 | 外構は生垣よりも塀に囲まれているため、街並みが閉鎖的に感じられた。全般的にロンドン郊外の田園都市は100年以上前の歴史的な建造物が今もなお残されており、街並みもきれいに維持されている。 |
2 | 二戸一、四戸一の共住スタイルや都会に住むことより郊外に住むことにステイタスを求める文化など、日本のように30年サイクルで建てては壊すのではなく、歴史的な街並み、外観を残し個々よりも集落単位に重きを置く国民性が感じられる。 |
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計画データー | |||
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報告者 | 亀ヶ森 聡 | 視察日 | 平成24年7月12日(木) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
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参考資料名 | 2012欧州住宅地まちなみ視察調査報告書(亀ヶ森 聡氏)掲載原稿を要約 |