住宅地計画の特徴 | |
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1 | 英国政府は建築分野における抜本的な低炭素化対策の第一歩として、2006年12月、2016年までに全ての新築住宅をゼロカーボン化するとの政策目標を決定し、さらに2018年までに新築の公共施設を、2019年までに全ての新築非住宅建築物をそれぞれゼロカーボン化することとした。さらに新築住宅のゼロカーボン化に向けた指針として、「Code for Sustainable Home」(CSH)を公表し、省エネ性能に関して6段階の評価軸が設定している。 |
2 | 現在求められるCSHレベルは3であるが、2016年には評価最高のレベル6となる。具体的な規制強化の方策やスケジュールを示すことで、技術開発などは市場により自然と進むという、英国の温暖化対策全般に通ずる基本的な考え方が貫かれている。 |
3 | 住宅・建築物の新築、売買、賃貸借時に建物のオーナーに対して、省エネ性能評価書の取得と取引相手への提示を義務づける省エネ性能評価制度も2006年から施行されており、欧州の中でも英国が一歩先を進んでいる印象がある。 |
維持管理の特徴 | |
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1 | 【レベル4の3棟】 (1)リニューアブルハウス:ヒンプという植物を使った新建材を使用、カーボンを吸収し、そのまま蓄えておく特性がある。 (2)ハンソンエコハウス:レンガを工場でパネル加工し、現場で組立てる。組立ては3日。地中熱利用による高効率な床暖房。 (3)プリンスズハウス:粘土ブロックを使い温熱的に効率が良い。U値が1960年頃の建物が8だとすると、0.15まで落ちる。 |
2 | 【レベル5の2棟】 (1)キャブハウス:鉄骨のモジュラーユニットで1週間程度で施工でき、建築コストは約1700万円と手頃な価格。最終的にはランニングコストゼロを目指している。 (2)シグマハウス:この建物はコンクリートではなく、植物と石炭を混ぜた建材を使用しておりCO2を吸収する環境住宅でもある。 |
3 | 【レベル6の1棟】 (1)グリーンハウス:2016年の最高レベル6の義務化に向けて2006年に建てられ、どんなことが可能になるかをいろいろ実験した先導的なモデル棟。 (2)ディコンストラクテッドハウス:レベル6でかつて作られ取り壊した建物。 |
計画データー | |||
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報告者 | 阿相 成人・松崎 智・村山 寛保 | 視察日 | 平成24年7月11日(水) |
同行コーディネーター | 佐々木宏幸氏(明治大学 理工学部建築学科専任准教授) |
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参考資料名 | 2012欧州住宅地まちなみ視察調査報告書(阿相 成人氏・松崎 智氏・村山 寛保氏)掲載原稿を要約 |