すまい・まちづくり設計競技

すまい・まちづくり設計競技 第20回結果内容

1 課題

課題地:沖縄県沖縄市の中心市街地(中の町地区)の一部 4ha
テーマ:中心市街地における文化薫る回遊性商業・居住空間の再生

2 審査結果

(1)特選(国土交通大臣賞)
代表者:日高仁(東京都杉並区、設計事務所)
合作者:任貞姫 狩野朋子 亀井寛之 松田昭夫 板垣和宏
(2)準特選(まちづくり月間実行委員会会長賞)
代表者:大井洋祐(東京都中央区、設計事務所)
(3)入選(住宅生産振興財団会長賞)
代表者:新田一真(石川県石川郡、大学院生)
合作者:真栄城嘉敦
(4)入選(住宅生産振興財団会長賞)
代表者:神藤正人(東京都東久留米市、大学院生)
合作者:金城菜穂 小田 紘道 長谷川哲 福田雅世 堀井大輔 丸浦百絵 山際さくら

3 審査結果報告

審査委員長 藤本昌也
 まちづくり月間実行委員会と(財)住宅生産振興財団が主催する「すまい・まちづくり設計競技」は、まちづくり月間発足以来20回を重ねることとなりました。
 今回は、「中心市街地における文化薫る回遊性商業・居住空間の再生」をテーマに、沖縄県沖縄市にある中の町地区の一部(4ha)を課題地としました。課題地は、土地区画整理事業の休止によって整備から取り残され、建物の建替えが行われず住宅等の老朽化が進んだ地域です。しかしこの地域全体は、商業地域としてポテンシャルの高い地域です。従って、沖縄市が持つ独特な街の文化を継承しつつ、魅力ある街づくりの形成を目指した課題地の整備について、既存の手法にとらわれない複合商業施設及び住宅の具体的なアイデアの提案を求めました。ここ数年、国の政策課題として挙げられている都市再生や密集市街地の整備などと関連する時宜を得た課題の設定であります。
 審査にあたっては、意見交換を行いながら投票により作品に絞り込む過程で、表現力は十分ではないが提案内容に見どころのある作品を復活させるなど、審査委員の視点を明らかにしつつ、議論を重ねました。基本的には全面的にクリアランスして一体の敷地として整備するという提案は事業面から現実的ではないうえ、従来のまちの魅力の継続性などの観点からも望ましくないということが確認されました。
 現状の地形や水路などの条件を生かしたうえで、比較的小規模な単位の合意による段階的整備が可能で、かつ全体としての魅力が形成されるということが優秀作品の条件ということです。また次のような視点についても議論がなされ、優秀作品が選定されました。

  1. 協調建替え、協同建替えなどを考慮し、多様な住宅が共存して計画されているか
  2. まちの骨格が、現道や現地形を尊重した上で、建物の用途、形態等が一定のルールを持って、時間経過の中で成熟していくというイメージが提案されているか
  3. 複雑な道路パターン、変化に富んだ地形を計画にどう反映させているか
  4. 沖縄の地域性、とりわけ課題地のもつ歴史性、文化性など、いわばバナキュラーなものをどう捉えているか
  5. 一定の基盤整備を念頭に置いた上で、周辺地域との連続性、協調性、整合性などが図られているか
  6. 街全体が回遊される機能性に着目し、建築の用途、密度構成が計画されているか
  7. 広く一般にもわかり易く、明快なアピール性のある提案がなされているか
  8. 中心市街地活性化というテーマに沿って街の賑わいが提案されているか
  9. 緑の扱いや空気や風の流れ、太陽といった観点から、街の系としての「しつらえ」をどう捉えているか

 特選作品は投票において圧倒的な高得点を獲得しました。総合的な評価において優秀性が認められたものであります。準特選以下の選定は必ずしも総合的な完成度にウェイトをおかず、今後の課題地の整備に選択肢を与える可能性を持つという意味で、提案性にやや重点を置いて選定されました。
 最終的には特選1点、準特選1点、入選が2点となり、例年どおり特選には国土交通大臣賞が授与されます。
 今回、このコンペに対して多くの応募をいただいたことは、その課題に今日的意義があったということであると改めて感じております。最後に、応募していただいた皆様方と、難しい課題にもかかわらず的確な審査をしていただきました審査委員の皆様方に深く感謝を申し上げます。

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